映画『スパゲティコード・ラブ』の承認を渇望する13人の若者像から、全5回のシリーズ記事で、承認欲求に向き合う人生の選択肢を考えてみます。四つ目の生き方の選択肢は、承認欲求に振り回されている状態から、承認欲求を乗り越えてマズローの欲求五段階の階段を一段上ることです。
第五段階の「自己実現欲求」に移行することで、承認欲求を全く求めない心理に至ることです。自分がこうありたいということを明確に決め、そのありたい理想の姿を黙々とただひたすら追求することです。
自己実現の在り方は、かなり誤解されていますが、自己が実現している方向に黙々と進むのですから、他人の承認など全く関係ありませんし不要と感じられることでしょう。マズローの書籍にも、第五段階に居る人間は変人だらけで、友人は数人いる程度の状態…といった主旨が書かれています。
交友関係は、「深い付き合いの人物が少数」なので、「自己実現者」が仮にSNSをやっていたとしても、友達やフォロワーは全然いなさそうです。それでも自分らしく生きる軸を持った生き方と言うことになります。
このような自己実現者の心境は、実は、仏教が説く「心を鎮めた状態」に近いものです。常時うっすらと禅や瞑想をしているような状態と言えるかもしれません。禅や瞑想が変性意識状態である以上、催眠技術でも自己実現の心境への近道を歩むことができるのです。
自己実現をしている人物の心理状況は想像しにくい部分が多いので、是非、このブログの関連記事の解説をご一読ください。
★関連記事:『誤解されていることが多い「自己実現」の本当の姿』
☆参考書籍:『人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ』A.H. マズロー著
【シリーズ・リンク】
●承認欲求と向き合う(0) マズローの欲求五段階説から考えてみる承認欲求
●承認欲求と向き合う(1) 承認欲求をそのまま満たす。
●承認欲求と向き合う(2) 承認欲求を間接的に満たす。
●承認欲求と向き合う(3) 欲求の段階を下げて承認欲求を忘れる。
●承認欲求と向き合う(4) 欲求の段階を上げて承認欲求を超える。
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